
ご質問ありがとうございます。配置転換で、いきなりSEOの担当になると、何から手をつければいいか迷いますよね。
結論から言うと、SEOの教科書や参考書は、読んで損はありません。ただ、それだけで追いつくのは、いまは難しいと思っています。理由は2つあります。ひとつは、作業の多くをAIに任せられるようになったこと。もうひとつは、検索の役割そのものが変わって、SEOだけを切り出しても戦略を考えられなくなったことです。
教科書に書いてあることの多くは、タイトルタグやメタディスクリプションの書き方のような、作業のやり方です。もちろん知っておいて困ることはありません。ただ、いまはこうした作業はAIに頼めば片づきます。たとえば、400ページ分のタイトルタグとメタディスクリプションの見直しも、Claude Opus 5.5のようなAIに「やっておいて」と頼めば、進めてもらえます。
このサイトでも、全ページのタイトルと説明文、構造化データの点検は、AIにやってもらいました。人が時間を使うべきなのは、作業より、何をするかを決めるほうです。
戦略のほうは、そうはいきません。この数年で、検索の役割が大きく変わっているからです。
まず、検索してもサイトに来ないケースが増えています。米国のGoogle検索のうち、どこもクリックされないまま終わる「ゼロクリック検索」は、2024年の60.45%から、2026年1〜4月には68.01%に増えました(SparkToro)。AIによる概要が出る検索では、1位のページのクリック率が、出なかった場合の予測より、日本で62.7%低くなっています(Ahrefs)。
情報収集の流れも変わりました。これまでは、悩みを検索して、記事を読むところから始まっていました。いまは、まず生成AIに相談する人が増え、その段階ではサイトに来なくなっています(くわしくはカスタマージャーニーの記事)。

検索の役割がどう変わってきたかは、こちらの記事にまとめています。
一方で、Webサイトへの入口として、検索はまだ大きな存在です。2026年1〜3月の世界のWebサイトへの流入を見ると、直接の訪問(63.8%)を除けば、検索からの流入が17.1%でいちばん大きく、生成AIからは0.7%でした(EMARKETER(Sensor Towerの調査))。

ですから、担当になって最初にやるべきなのは、問い合わせや購入といった行動につながる検索を、しっかり取りにいくことです。会社名やサービス名での検索がその代表で、指名検索の記事にまとめています。
もうひとつ、押さえておきたいことがあります。GoogleのCEO、スンダー・ピチャイ氏は、AIの時代になっても、人が作ったWebへ人を送ることは「設計の中心に置く原則」だと話しています(Search Engine Journal)。この発言は、検索だけを指したものとは限りません。
実際、2026年2月には、Discover(スマホのGoogleアプリなどに出るおすすめ記事)だけを対象にしたコアアップデートが、初めて行われました(Search Engine Journal)。検索のクリックが減るぶん、Google自身も、検索以外からもサイトに人を送ろうとしているのだと思います。Search ConsoleではDiscoverからの流入も見られるので、検索とあわせて追ってください。
SEOの話から少し広がってしまいましたが、大前提として、SEOはもう単体では考えられません。AI時代のWebマーケティングの全体を学び、その中で検索がどこを担うのかを考える必要があります。
基本の用語や考え方を押さえるなら、Googleが公開しているSEOスターターガイドがまとまっています。そのうえで、AI時代の変化は、弊社の記事も参考にしてみてください。
手を動かすなら、まずはこの3つから始めてみてください。