- 検索の利用は過去最高。でも、ゼロクリック検索は68%に増え、サイトにクリックが届く検索は3分の1以下になった
- Googleは2012年から、検索結果の画面で答えを返す機能を増やしてきた。生成AIはその流れを加速させ、ページを読んでもサイトに人をほとんど送らない、という変化も起こした
- 調べる場所はAIやSNSに広がり、検索は社名や評判を「確かめる場所」になってきた。海外の第一人者の言葉から、これからのSEOの指針を5つ立てた
こんにちは、アースダイバー代表の佐藤です。AIが広がって、ウェブマーケティングは取るべき戦略も、実行のやり方も変わりました。アースダイバーは、その新しい前提で戦略を考え、実行する仕組みまでつくる会社です(ご相談はこちら)。
最近、支援先の方とSEOの話をすると、だいたい同じところに行き着きます。「なんか、流入が減ってるんですよね」。
弊社が支援している30社ほどでも、ここ1〜2年で、検索からの流入がじわじわ減ってきました。特に落ちているのが、「〇〇とは」のような、言葉の意味を調べる検索です。
ただ、これをAI Overviewsだけのせいにすると、たぶん見誤ります。起きているのは、もっと大きな変化だと思っていて……。ひと言でいうと、検索の役割そのものが変わってきたんです。
この記事では、まず検索で何が起きているのかを確認し、その背景にある大きな流れと、利用者の行動の変化を見ていきます。そのうえで、海外のSEOの第一人者たちの言葉をヒントに、これからのSEOの指針を5つ立てます。少し長いですが、お付き合いください。
目次
検索の利用は減っていない。減ったのはサイトへのクリック
最初に押さえておきたいのは、検索そのものは減っていないということです。
2024年2月、調査会社のGartnerは「2026年までに従来の検索エンジンの利用は25%減る」と予測しました(Gartner)。でも実際には、Googleは2026年5月に、検索の利用が過去最高になったと発表しています(Google)。
減ったのは、検索からサイトへのクリックのほうです。

SparkToroの調べでは、米国のGoogle検索のうち、どこもクリックされずに終わる「ゼロクリック検索」は、2024年の60.45%から、2026年1〜4月には68.01%に増えました(SparkToro)。100回検索されても、サイトにクリックが届くのは32回ほどです。
直接の原因は、検索結果の上に出るAI Overviews
クリックが減った直接の理由は、検索結果の上で答えが出るようになったことです。その代表が、AIが答えを書いて検索結果のいちばん上に出すAI Overviewsです。
AI Overviewsは、どんな検索にも出るわけではありません。Ahrefsが1億4,600万件の検索結果を調べたところ、出やすさは検索の種類でまったく違いました(Ahrefs)。

言葉の意味を調べる検索では47.3%、調べもの全般では21.4%。 一方、比較検討の検索では4.3%、購入の検索では2.1%、特定のサイトに行くための検索では0.9%です。マーケティングのファネルでいえば、入口に近い検索ほど、AI Overviewsが答えてしまうということです。
そして、AI Overviewsが出ると、クリックは大きく減ります。

Ahrefsの2026年6月の調査では、AI Overviewsが出る検索で、1位のページのCTR(クリック率)は、出なかった場合の予測より日本で62.7%低くなっていました。100回表示されたら24回クリックされるはずが、9回です(Ahrefs)。Seer Interactiveが42社の実データで調べた結果でも、AI Overviewsが出る検索では、自然検索のCTRが61%減っていました(Seer Interactive)。
「〇〇とは」の記事は、これまでSEOの主力でした。その入口が、いちばん影響を受けているわけです。弊社の支援先で起きていることとも、ぴったり重なります。
クリックが減った背景にある、2つの変化
ここで少し引いて、大きな流れを見てみます。クリックが減った背景には、2つの変化があると考えています。
Googleは2012年から、検索結果の画面で答えを返す機能を増やしてきた
ひとつ目は、検索結果の画面だけで答えがわかるようになっていく流れです。これは、生成AIで突然始まったわけではありません。

2012年、Googleは「ナレッジグラフ」を発表しました。キャッチフレーズは「things, not strings」。文字列を照合するだけでなく、物事そのものを理解して答える、という宣言です(Google)。2014年1月には、答えの抜粋を検索結果のいちばん上に出す「強調スニペット」が始まり(Google)、2019年6月には、ゼロクリック検索が50%を超えました(SparkToro)。
そして、2024年5月に米国で(Google)、8月に日本で(国立国会図書館 カレントアウェアネス)AI Overviewsが始まります。2025年には、AIと対話しながら調べる「AIモード」が米国(Google)と日本(Web担当者Forum)で始まりました。
こうして並べると、生成AIは、10年以上続いてきた流れを一気に加速させた、と見たほうが正確だと思います。
AIはページを読んでも、サイトに人をほとんど送らない
ふたつ目は、SEOの前提そのものに関わる変化です。
これまで、サイトを運営する企業は、Googleなどの検索エンジンが自社のページを自由に読み込むことを許してきました。読み込まれたページは検索結果に並び、そこから人がサイトに来てくれるからです。ページを読み込ませる見返りに、検索エンジンからの流入を得る。 SEOという仕事は、この取引の上に成り立っていました。
ところが、AIはページを読んで答えを作りますが、人をあまりサイトに送りません。

Cloudflareは、各社のプログラム(クローラー)がページを読み込んだ回数と、そこからサイトに送った人数の比率を公開しています。2025年7月の数字で、Googleは1人を送るまでに5.4ページ。これに対して、OpenAIは1,091ページ、Anthropicは3万8,066ページでした(Cloudflare。Anthropicの値は多めに出ている可能性があると注記されています)。読まれる量に比べて、返ってくる人の数が桁違いに少ないんです。
AIに読まれても、人が来るとは限らない。読まれたことの成果を、流入数では測れなくなったということです。
こうした状況を受けて、Cloudflareは2025年7月、AIのクローラーを初期設定でブロックし、読ませる代わりに対価を求める仕組みを始めました(Cloudflare)。
検索結果の画面で答えが完結していく流れと、AIがページを読んでも人をほとんど送らないという変化。iPullRankのMike King氏は、この2つをまとめて、こう表現しています。
これは、プラットフォームの転換だ。This is a platform shift.— Mike King(iPullRank 創業者・CEO)、SEO Week 2025の基調講演より
SEOの前提が変わっている以上、SEOのやり方が変わるのは自然なことだと思います。
前提が変わったいま、まず知っておきたいのは、自社の名前がAIの答えの中でどう扱われているかです。これは、実際に確かめてみないとわかりません。確かめ方は、AI検索診断のご案内にまとめています。
調べる場所がAIやSNSに広がり、検索は社名を確かめる場所になってきた
ここまでは、検索エンジンとサイトの側の変化でした。では、利用者の側から見ると、何が変わったのか。
ひとつは、AIに直接聞く人が増えたことです。ChatGPTの週間利用者は、2026年2月に9億人に達しました(TechCrunch)。ただ、検索がAIに置き換わったと見るより、調べる手段がひとつ増えたと見たほうが実態に近いと思います。SEOコンサルタントのAleyda Solis氏の言葉です。
LLMは、発見のチャネルとしての検索を、なくすどころか広げている。LLMs are expanding (not killing) Search as a discovery channel.— Aleyda Solis(SEOコンサルタント)、SEO Summit Brasil 2025の講演資料より
もうひとつは、検索以外の場所で調べる人が増えたことです。Adobeの調査では、米国の消費者の49%が、TikTokを検索に使ったことがあると答えています(Adobe)。Googleは2024年にRedditとの提携を発表し(Google)、RedditのGoogleでの露出は、2023年7月から2024年4月までに1,328%伸びました(Amsive)。Googleの検索責任者も、人がクリックする先として「本物の声が聞けるフォーラム、動画、ポッドキャスト、投稿」を挙げています(Google)。
これまで、検索は「調べる場所」でした。言葉を検索して記事を読み、その記事を書いた会社を知り、比べて、問い合わせる。ほとんどが検索の中で起きていました。

いまは、調べる段階がAI Overviews、AIとの会話、動画、コミュニティに散らばり、会社の名前を知るのもそうした場所の中だったりします。そのうえで、最後に社名で検索して、確かめに来る。検索の役割が、「調べる場所」から「確かめる場所」に寄ってきているんです。社名で確かめに来る検索(指名検索)の考え方と増やし方は、指名検索の記事にまとめています。
AIの答えに名前が挙がる会社の条件と、何から始めるかは、ホワイトペーパーにまとめています。
海外の第一人者の言葉から立てる、これからのSEOの5つの指針
検索の役割がこう変わってきたいま、SEOはどう変わればいいのか。海外の第一人者たちの言葉をヒントに、5つの指針にまとめました。

ひとつずつ、具体的に見ていきます。
指針1:流入数を、KPIの中心から外す
ゼロクリック検索の調査で知られるSparkToroのRand Fishkin氏は、いちばんはっきり言っています。
デジタルマーケティングのKPIから、流入数を外そう。Replace traffic as a KPI for your digital marketing efforts.— Rand Fishkin(SparkToro 共同創業者・CEO)、SparkToroブログ(2026年6月)
AmsiveでSEOとAI検索を率いるLily Ray氏も、見る数字が変わってきたと話しています。
見る指標は、確実に変わってきている。ブランドの言及、表示回数、いい会社として引用されること。そういったものを重視するようになっている。The metrics are definitely changing. We're focusing more on things like brand mentions, impressions, being cited as a great company— Lily Ray(Amsive SEO・AI検索担当VP)、2025年7月
検索が「確かめる場所」になると、成果までの道筋が変わります。検索結果やAIの答えで会社を見かけて、あとから社名で検索し、サイトで確かめて、問い合わせる。この道筋では、最初の「見かける」段階でクリックは起きません。流入数だけを見ていると、この段階の成果がまるごと見えなくなります。
実際、日本の調査では、AI Overviewsで見かけた会社や製品を、あとで検索したことがある人が46.1%いました(ナイル調べ/Web担当者Forum)。

具体的には、図のように段階ごとに数字を置きます。見かける段階は、検索結果での表示回数とAIの答えで社名が挙がる割合。社名で検索する段階は、指名検索の数。サイトで確かめる段階は、指名経由の流入や料金・事例ページの閲覧。そして最後は、指名経由の問い合わせや商談。 流入数は、そのうちのひとつにすぎません。
指針2:クリックされなくても、検索結果の表示で自社の主張を伝える
Rand Fishkin氏は、クリックされない前提で考えよう、とも言っています。
私たちの主張は、ゼロクリック・マーケティングは、あらゆる場所でできるし、やるべきだ、ということ。クリックなしで、検索結果の中で直接人に影響を与えるにはどうするか。そう考えなければならない。Our contention is essentially that zero-click marketing is something you can—and should—do everywhere. So you have to be thinking: 'How do I influence people directly in the search results, without any click at all?'— Rand Fishkin、Advanced Web Rankingのインタビュー(2025年9月)
検索結果で人が目にするのは、ページのタイトル、説明文、そしてAI Overviewsに引用される数行です。クリックされないなら、ここに表示された時点で、誰が何を言っているのかが伝わっている必要があります。

ポイントは3つです。タイトルには、一般論より自社の主張を入れる。説明文で、誰の知見なのかを示す。本文の冒頭で、結論を一文で言い切る。言い切りの一文があれば、AIが答えを書くときにも、そのまま引用しやすくなるはずです。
指針3:AI検索対策として、第三者に書かれる量を増やす
Growth MemoのKevin Indig氏は、AI検索対策の位置づけを、こう表現しています。
AIの答えの中でブランドが言及されることは、引用されることより、事業の成果への影響が大きい。AEO/GEOは、成果のチャネルに見せかけた、ブランドのチャネルだ。Brand mentions in AI answers are more impactful on business outcomes than citations. AEO/GEO is a brand channel disguised as a performance channel.— Kevin Indig(Growth Memo)、2026年7月
AI検索対策というと、自社サイトの書き方を工夫する話になりがちです。でもデータを見ると、効いているのはサイトの外のほうでした。

Ahrefsが7万5,000のブランドを調べたところ、AI Overviewsへの登場といちばん相関が強かったのは、ウェブ上でブランド名が言及される量でした(相関0.664)。被リンクの数(0.218)より、ずっと強い結びつきです(Ahrefs)。AIは「その会社について、世の中で何が書かれているか」を読んで答えを組み立てていると考えられます。
だから、第三者がその会社について書く量を増やすことが、AI検索対策にもつながります。業界メディアへの寄稿や取材、比較サイトに載っている自社情報の正確さ、引用されやすい独自の調査レポート、登壇やイベントの共催、顧客による事例の発信。AI検索対策が広報やブランディングの仕事に近くなるのは、そのためです。
指針4:キーワードより意図を調べ、自社だけの一次情報を出す
Marie Haynes氏は、これまでのSEOの多くが、もう効かなくなったと書いています。
SEOの名のもとにやってきたことの多くは、いまでははるかに重要でなくなった。キーワード調査より、意図の調査に力を注ぐべきだ。Many of the things we have traditionally done in the name of SEO are far less important now. Instead of keyword research, we should be focusing on intent research.— Marie Haynes(AI・検索コンサルタント)、ご本人のサイトより
意図の調査とは、検索語の数を調べることより、その人が何を決めようとしているのかを調べることです。そして、その答えとして何を書くか。ここで考えたいのが、AIが答えられることと、答えられないことの線引きです。

言葉の意味や一般的なやり方は、AIがもう答えてくれます。各社が同じように書いても、選ばれにくい。力を入れるべきは、自社にしか書けない一次情報です。自社の事例、現場の数字、判断の基準。とりわけ、確かめに来る人が見るページ。サービスの詳細、料金、導入事例、ほかとの違いです。
ネタは、社内にあります。営業やカスタマーサポートが受けている質問、商談の議事録、提案書。お客さんが実際に迷っているところが、そのまま意図の調査になります。
指針5:動画やコミュニティなど、検索の外でも見つけてもらう
FoundationのRoss Simmonds氏は、検索の外を見ていない企業が多いことに警鐘を鳴らしています。
検索は完全に変わった。そして、この変化はしばらく続く。多くの業界で、Redditが検索結果を席巻しているのに、多くの人がそれに気づいていない。Folks, search has changed completely and it is going nowhere anytime soon. Reddit is taking over the SERP in so many industries, but so many people are sleeping on it.— Ross Simmonds(Foundation 創業者・CEO)、SEO Week 2025の講演より
人が調べる場所が散らばった以上、SEOの範囲も広げる必要があります。といっても、全部に手を出す必要はありません。場所ごとに役割が違うので、自社の買い手がどこで調べているかから選びます。

動画は、比べたり、やり方を確かめたりする場所。コミュニティや口コミは、本物の声を聞く場所。業界メディアは、第三者の評価が載る場所。Googleアプリに記事が流れてくるGoogle Discoverは、検索しない人に届く場所。メールマガジンは、関係を続ける場所です。
実際に動いている企業もあります。米HubSpotのCEOは、2026年2月の決算説明で、AIの答えが出発点になり検索流入は減っている、という趣旨のことを認めたうえで、YouTube経由の見込み客(リード)が68%、メールマガジン経由が53%増えたと話しています(決算説明会の書き起こし)。
まとめ:検索の役割は、調べる場所から確かめる場所に変わってきた
振り返ると、SEOはもともと、探している人に見つけてもらうための工夫だったはずです。
検索結果の画面で答えが完結していく流れは、10年以上前から続いてきました。生成AIはそれを一気に加速させ、ページを読み込ませる見返りに流入を得る、という取引も成り立ちにくくしました。人が調べる場所はAIやSNSに広がり、検索は社名や評判を「確かめる場所」になりつつあります。
だから、流入数だけを追うのをやめて、名前が挙がること、選ばれることを追う。検索の中だけでなく、外でも見つけてもらう。……変化は大きいのですが、「探している人に見つけてもらう」という根っこは、案外変わっていないのかもしれません。
AIの答えの中で見つけてもらうために何をすればいいかは、AIO対策の記事に、AIが裏側でどう検索しているかは、クエリ・ファンアウトの記事にまとめています。
参考:Gartner(2024年2月)/Google I/O 2026(2026年5月)/SparkToro(2026年6月)/Ahrefs「AI Overview triggers」(2025年11月)/Ahrefs(2026年6月)/Seer Interactive(2025年11月公開)/Google「Introducing the Knowledge Graph」(2012年5月)/Google「A reintroduction to Google's featured snippets」(2018年1月)/SparkToro(2019年8月)/Google(2024年5月)/国立国会図書館 カレントアウェアネス/Google(2025年5月)/Web担当者Forum(2025年9月)/Cloudflare「The crawl-to-click gap」(2025年8月)/Cloudflare「Introducing pay per crawl」(2025年7月)/Mike King(iPullRank、2025年)/TechCrunch(2026年2月)/Aleyda Solis(2025年11月)/Adobe(2026年2月)/Google Reddit提携(2024年2月)/Amsive(2024年7月)/Google(2025年8月)/Lily Ray(Peec AI、2025年7月)/ナイル調べ(2026年1月)/Rand Fishkin(Advanced Web Ranking、2025年9月)/Kevin Indig(Growth Memo、2026年7月)/Ahrefs(2025年5月)/Marie Haynes/Ross Simmonds(iPullRank、2025年8月)/HubSpot 2025年第4四半期 決算説明会


