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ChatGPT広告とは?
BtoBで使えるのか、海外の事例と専門家の見方から考える

佐藤 大貴佐藤 大貴 公開 2026.10.24更新 2026.10.24
ChatGPT広告とは?BtoBで使えるのか、海外の事例と専門家の見方から考える
この記事のポイント
  • ChatGPT広告は、答えの下に「スポンサー」として出る広告。答えの中身には影響しない。日本では1日2,500円から自社で出稿できる
  • BtoBで広告が届きやすいのは、会社の有料版を使わず、個人のアカウントで調べている人と考えられる。自分で決められる商材ほど相性がよさそうだ
  • 海外のBtoBのテストでは、クリックは安い一方、見込み客になりにくい結果が多い。小さく試し、指名検索とあわせて測るのが現実的

こんにちは、アースダイバー代表の佐藤です。AIが広がって、ウェブマーケティングは取るべき戦略も、実行のやり方も変わりました。アースダイバーは、その新しい前提で戦略を考え、実行する仕組みまでつくる会社です(ご相談はこちら)。

ChatGPTに広告が出るようになりました。米国では2026年1月に発表され、2月にテスト配信が始まりました。日本でも6月に試験配信が始まっています。いまは広告主が自分でアカウントを作り、1日2,500円から出稿できます。

BtoBのマーケティング担当者として気になるのは、「うちの商材で使えるのか」だと思います。ChatGPTで仕事の調べものをする人は増えていますが、広告を見ているのがどんな人なのかは、まだあまり知られていません。

この記事では、ChatGPT広告の仕組み、BtoBで広告が届く相手、海外と日本で先に出稿した企業の結果を順に見たうえで、どんな商材なら試す価値があるのかを考えます。先に言っておくと、BtoBでも使える場面はありそうですが、届く相手と向いている商材は限られます。そのうえで、ChatGPT広告のおもな役割は、AIに相談しながら候補を比べている人に、自社の名前を候補として見せることだというのが、弊社のいまの見立てです。情報は2026年10月時点のものです。

目次
  1. 1ChatGPT広告とは?答えの下に出る「スポンサー」枠
  2. 2ChatGPT広告と、AIO対策との違い
  3. 3検索広告・SNS広告・LinkedIn広告との違い
  4. 4BtoBで広告が届くのは、どんな人か
  5. 5海外と日本で先に出稿した企業の結果
  6. 6ChatGPT広告が効くのは、候補を絞っている段階
  7. 7OpenAIは、ChatGPT広告を相談に答える形に広げようとしている
  8. 8ChatGPT広告に向いているのは、AIに相談して選び、担当者が決められる商材
  9. 9ChatGPT広告の出稿方法と配信のコツ
  10. 10BtoBの会社が試すときの進め方
  11. 11よくある質問
マーケティングの課題を、コンサルタントに相談する →

ChatGPT広告とは?答えの下に出る「スポンサー」枠

ChatGPT広告は、ChatGPTの答えの下に出る広告です。会話の内容に関係する商品やサービスが、「スポンサー」と書かれた枠で表示されます。

図1:ChatGPT広告は、答えの下の別枠に出る

広告が表示されるのは、18歳以上の無料プランと低価格のGoプランの利用者だけです。Plus、Pro、Business、Enterpriseといった有料プランの利用者や、健康や政治の話題の会話には、広告は表示されません(OpenAI)。

OpenAIは、広告が答えの中身に影響しないことを原則にしています。CEOのSam Altman氏は、広告を始めるときにこう書きました。

ChatGPTの答えに影響を与えるためのお金は受け取らない。We will not accept money to influence the answer ChatGPT gives you.— Sam Altman(OpenAI CEO)、2026年1月のXへの投稿

2026年の動き

図2:ChatGPT広告の2026年

5月に、広告主が自分で出稿できる「広告マネージャー」とクリック課金が加わりました(OpenAI)。日本では6月19日に試験配信が始まり(Impress Watch)、6月末からは広告主が広告マネージャーで直接出稿できるようになっています(ブルースクレイ・ジャパン)。8月には、広告の売上が始まって200日足らずで年10億ドルのペースに達したと発表されました(OpenAI)。9月に発表された「Sponsored Agents」(広告から企業のAIと会話できる形式)と、10月の画像広告は、いまのところ米国だけのテストです。

ChatGPT広告と、AIO対策との違い

ChatGPT広告と混同しやすいのが、AIO対策です。どちらもChatGPTの画面に自社の名前を出すためのものですが、名前が出る場所と、何で決まるかが違います。

図3:ChatGPTの答えの中と、答えの下の広告枠は、決まり方が違う

ChatGPTの答えの中に自社の名前が出るかどうかは、AIが読んだ情報で決まり、そこを整えるのがAIO対策です。ChatGPT広告は、答えの下の枠をお金で買うもので、答えの中身には影響しません。

そのため、ChatGPT広告を出しても、自社がAIにすすめられやすくなるわけではありません。両方を使い分けるなら、ChatGPTの答えで自社の名前が挙がらない質問には広告で名前を出し、挙がっている質問はAIO対策の成果として見ます。

広告に頼らず、AIの答えそのものに名前が挙がるための条件は、ホワイトペーパーにまとめています。

検索広告・SNS広告・LinkedIn広告との違い

BtoBのマーケティングでよく使われる広告と並べると、ChatGPT広告の位置がわかりやすくなります。

図4:検索広告・SNS広告・LinkedIn広告と比べた、ChatGPT広告

いちばんの違いは、広告を出す相手を何で決めるかです。検索広告はキーワード、SNS広告は興味や行動、LinkedIn広告は会社や役職で決めます。ChatGPT広告は、会話の文脈で決まります。広告主は、どんな会話で出したいかを文章で伝えることはできますが、相手の会社名や役職は指定できません。

単価の水準も違います。2026年4月時点の表示1,000回あたりの単価は、Facebookが4.82ドル、Instagramが7.63ドル、LinkedInが39.19ドルでした。ChatGPT広告は60ドルで始まり、25ドルから45ドル程度の取引も出てきています。表示単価で見ると、SNS広告よりかなり高く、LinkedIn広告に近い水準です。米国では最低出稿額も当初の25万ドルから5万ドルまで下がり(Digiday)、日本では広告マネージャーから1日2,500円で試せます。

BtoBで考えると、LinkedIn広告とは役割を分けやすそうです。LinkedIn広告は「誰に」を絞れても、相手がいま何を考えているかまではわかりません。ChatGPT広告は「誰に」を絞れない代わりに、相手がいま何を比べているかに合わせて出せます。大企業の特定の部署を狙うならLinkedIn広告、中小企業などで自分で調べて導入を決める担当者が比べている場面に入るならChatGPT広告、と分けて考えられます。どんな担当者に広告が届きやすいかは、次の章で詳しく見ます。

BtoBで広告が届くのは、どんな人か

では、BtoBの買い手のうち、ChatGPT広告を見ているのはどんな人なのか。購買担当者の調査と、ChatGPTの使われ方のデータから見ていきます。

BtoBの買い手は、AIで候補を探しはじめている

G2が2026年3月にBtoBのソフトウェアの購買担当者・決裁者1,076人に聞いた調査(4月公表)では、回答者の51%が、Googleより先にAIチャットで調べはじめることが多いと答えました。前年は29%でした。また69%は、AIチャットのおすすめを見て、予定と違う会社を選んだことがあると答えています(G2)。Gartnerの調査(2025年8〜9月、645人)でも、直近の購買で生成AIを使った買い手は45%でした(Gartner)。

会社で契約したChatGPTには、広告が表示されない

ただし、ChatGPT広告が届くかどうかは、買い手がどのアカウントでChatGPTを使っているかで変わります。会社が契約したChatGPTのBusinessやEnterpriseには、広告は表示されません。Forresterによると、BtoBの買い手の61%が、会社が用意したAIツールを使っていると答えています(Forrester)。

一方で、個人のアカウントのChatGPTで仕事をしている人も少なくありません。日本の会社員を対象にした2026年4月の調査では、仕事で生成AIを使う人のうち、ChatGPTを個人のアカウント(無料・有料を含む)で使っている人は約35%で、会社の契約で使っている人の約25%より多くなっていました(北海道新聞)。このうち、無料版やGoで使っている人が、広告の届く相手です。

図5:BtoBで広告が届くのは、個人のアカウントで調べている人

ChatGPTは仕事で、文章作成と判断材料集めに使われている

OpenAIが個人向けプランの会話を分析した研究では、利用の約3割が仕事に関するものでした(OpenAI)。仕事でのChatGPTの使い方でいちばん多いのは文章を書くことで、質問して判断材料を得る使い方も多くあります。研究チームは、ChatGPTの価値は「意思決定の支援」にあると書いています(NBER)。

業務ツールを選ぶときの相談も、この「意思決定の支援」のひとつです。ChatGPT広告が表示される可能性があるのも、こうした会話の中です。

届きやすいのは、自分で調べて自分で決める担当者

ここまでを重ねると、BtoBでChatGPT広告が届きやすいのは、会社でChatGPTを契約しておらず、個人の無料版やGoで調べている人だと考えられます。たとえば、中小企業の経営者や担当者、部署の予算で小さくツールを試したい人です。大企業で全社的にChatGPTを契約している会社の担当者には、仕事中は届きにくいはずです。

海外のデータも、この見立てを裏づける方向です。SimilarwebとGraphiteの調査でクリック率の高い広告主として挙がっているMonday.comやJotformは、担当者がひとりで調べて、その場で試せる業務ツールです。米国の上位1万の広告主の表示回数でも、BtoBのSaaSがいちばん多い分野でした(PPC Land)。

海外と日本で先に出稿した企業の結果

では、実際に出稿した企業は、どんな結果を得ているのか。海外では代理店や広告主が、日本では運用代理店が、テストの結果を公開しはじめています。

国別のクリック率:日本は米国の約2倍

SimilarwebとGraphiteの調査では、ChatGPT広告のクリック率は3月末から9月にかけて約0.4%から約1.0%に上がりました。国別で見ると、日本は1.53%で、米国の0.73%の約2倍です。いずれも全業種の合計です(PPC Land)。

図6:ChatGPT広告の国別のクリック率

BtoBのテストでは、クリックが見込み客につながりにくい

前の章で見たとおり、BtoBのSaaSは広告を多く出しています。ただ、問い合わせまで追ったテストの数字は、まだ厳しいです。米国の代理店Workshop Digitalは、BtoBの3つの業種で、ChatGPT広告とGoogle検索広告を並べて試しました(Workshop Digital)。

図7:BtoBのテストで比べた、ChatGPT広告とGoogle検索広告

ChatGPT広告のクリック単価は3.14ドルで、Googleの6.76ドルの半分以下でした。一方で、ChatGPT広告のクリック率は1.1%で、Googleの5.2%に届かず、見込み客(MQL)はGoogleの2件に対して0件でした。それでも担当者のJacob Brown氏は、こう書いています。

BtoBのマーケティングチャネルとしてChatGPT広告を見限るには、まだまったく早すぎる。It's far too early to write off ChatGPT Ads as a B2B marketing channel.— Jacob Brown(Workshop Digital)、2026年8月

Floyd Blaikie氏がLinkedInで公開した、BtoBのキャンペーンに約7,000カナダドルを使ったチームのテストでは、クリックした146の組織のうち、狙っていた顧客像に合っていたのは5つだけでした(Search Engine Journal)。先に見たとおり、ChatGPT広告は相手の会社の規模や役職を指定できず、BtoBで届きやすいのは個人のアカウントで調べている人です。このテストでは、狙っていた顧客像と、実際に広告が届いた相手がずれていた可能性があります。

ChatGPT広告には、計測の課題もあります。広告マネージャーで57クリックと出ていたのに、Google アナリティクスで確認できた訪問は20件足らずだった、という報告もあります(TechTimes)。OpenAI自身も、業種や目的ごとの成果の目安はまだ出していません。

日本での配信結果:クリック単価は50〜200円、広告の見出しでクリック率が変わる

ブルースクレイ・ジャパンのテストでは、会話のような見出しのクリック率が1.54%で、広告らしい直接的な見出しの0.44%の約3.5倍でした。クリック単価は82円と90円で、同社の配信全体では1クリック100円から200円ほどだったそうです(ブルースクレイ・ジャパン)。

図8:見出しの書き方で、クリック率は約3.5倍変わった

オプトのテストでは、上限クリック単価を200円から50円まで下げるにつれて、実際のクリック単価が119円から50円に下がり、クリック率は0.88%から1.69%に上がりました。クリック率が上がった理由について、同社は、クリックを最適化する仕組みが「どの会話に出すとクリックされるか」を学習し、広告を出す会話を選ぶ精度が上がったためだと見ています。そのうえで、クリック単価が下がったおもな理由も、上限の引き下げよりクリック率の上昇だと分析しています(オプト)。

会話のような見出しのほうが反応がいい背景には、広告らしさへの警戒もありそうです。Forresterが米国、英国、カナダのAI検索の利用者409人に聞いたところ、83%は広告が入っても無料プランを使い続けると答えました。ただ、役に立つ情報と広告の境目があいまいになることには敏感だ、とも指摘しています(Forrester)。BtoBで広告が届く、個人のアカウントで仕事の調べものをする人も、こうした利用者に含まれます。広告らしさが強すぎる見出しは、BtoBでも避けたほうがいいと思います。

どれも少ない予算での1社ずつの結果ですが、日本ではクリック単価50円から200円、クリック率1%台というのが、いまの相場観と言えそうです。

海外の専門家は、いまのChatGPT広告に慎重な見方をしている

SE RankingのYulia Deda氏は、自社のテストのあとでこう書いています。

ChatGPT広告のクリックは、必ずしも意味のある需要にはつながらない。ChatGPT Ads clicks do not always translate into meaningful product demand.— Yulia Deda(SE Ranking)、2026年9月

テック業界の分析で知られるBen Thompson氏は、ChatGPTが広告を始めたこと自体は評価しつつも、最初の広告はまだ正しい形になっていないと見ています。

重要な一歩だが、遅れたぶんリスクは大きい。そして遅れたことで、広告はまだ正しいものになっていない。It's an important step, but one with far more risk given the delay — and the delay means the ads aren't yet the right ones.— Ben Thompson(Stratechery)、2026年1月

ChatGPT広告のクリックは安くとれる。ただ、問い合わせにつながった例はまだ少なく、広告マネージャーとGoogle アナリティクスの数字もずれる。今年公開された数字は、ほぼこの線にそろっているように見えます。

ChatGPT広告が効くのは、候補を絞っている段階

前の章までは、ChatGPT広告が「誰に」届くかと、出稿した企業の数字を見てきました。ここでは視点を変えて、広告を見た相手が「どんな状態のときに」いるのかを、マーケティングファネルの段階で考えます。

先に比べたとおり、検索広告はキーワードで探している人を拾い、SNS広告はまだ探していない人のタイムラインに入り込みます。その中間にいるのが、AIに条件を話しながら、選び方そのものを考えている人たちです。ChatGPT広告は、この人たちに届きます。

「従業員30人の会社で、経費精算を楽にしたい。いまはExcelで管理していて……」。検索なら「経費精算 おすすめ」の2語で終わるところを、ChatGPTの利用者はここまで具体的に話します。ChatGPT広告は、この会話の文脈に合わせて表示されます。

図9:ChatGPT広告は、検索広告とSNS広告のあいだに入る

ただ、ChatGPT広告がマーケティングファネルのどの段階に効くかについては、海外の専門家の見方が割れています。NP DigitalのChris Moreno氏は、ChatGPT広告から来る人は、ほかの有料広告から来る人の多くより決定に近いと見ています。

ChatGPT広告から来た人は、ほかの有料広告から来る人より、意思決定のプロセスの先に進んでいる。The user who arrives from a ChatGPT ad is further along the decision process than most of your other paid traffic.— Chris Moreno(NP Digital)、2026年6月

逆に、Smith MicroのBrooke Osmundson氏は、利用者はまだ選択肢を比べている途中だと見て、ラストクリックだけで成果を測ると見誤ると書いています。

人は、ChatGPTをGoogle検索と同じようには使っていない。People aren't using ChatGPT the same way they use Google Search.— Brooke Osmundson(Smith Micro)、2026年9月

調査会社のEMARKETERは、会話型の広告は刈り取りだけでなく、ブランドを知ってもらうきっかけにもなると見ています(EMARKETER)。

弊社の見方は、Osmundson氏に近いものです。前の章で見たとおり、ChatGPT広告はクリックはとれるのに、問い合わせにはなりにくい。ChatGPT広告が届いているのは、決める直前の人より、候補を絞っている最中の人だと考えるほうが、数字と合います。BtoBの買い手の94%は、売り手に連絡する前に候補の順位を決めていて(指名検索の記事参照)、その候補選びにAIが入ってきています。ChatGPT広告の役割は、その候補の中に名前を入れることだと考えています。

Moreno氏の見方が当てはまる商材もあると思います。比べたその場で申し込める小さな商材では、比べる段階と決める段階が重なりやすいからです。どんな商材かは、あとの章で見ます。

OpenAIは、ChatGPT広告を相談に答える形に広げようとしている

ここまでは、いま公開されているデータから見てきました。ただ、ChatGPT広告は仕様が月単位で変わっています。この先どこへ向かうのかは、OpenAI自身の発言にヒントがあります。弊社が注目しているのは、次の4つです。

中小企業やスタートアップにも使いやすくしようとしている

OpenAIは8月の発表で、広告を中小企業やスタートアップにも使いやすくしたいと書き、5月に始めた広告マネージャーによって、中小企業が売上の無視できない割合を占めるようになったと明かしています(OpenAI)。1月の発表でも、小さなブランドがふだん届かない人に届く手段になる、と書いていました(OpenAI)。大企業の大型予算に限らず、少額から試せる媒体を目指していることが読み取れます。

新しい顧客との出会いの場として位置づけている

同じ8月の発表では、ある技術パートナーの報告として、ChatGPT広告からの流入の80%以上が新規の顧客だったと紹介しています。すでに知っている会社を探す人が多い検索広告とは違い、まだ知らない会社と出会う場所として位置づけていることがうかがえます。

広告文は、リンク先のページと会話から作られるようになる

9月の発表では、リンク先のページとキャンペーンの目的から広告文と画像の案を作る機能や、広告主の見出しを会話の文脈に合わせて書き換える機能(オプトイン)が紹介されています(OpenAI)。リンク先のページに何が書いてあるかが、広告の中身にも影響していきそうです。

広告に、その場で質問できる形を目指している

OpenAIは1月の時点で、広告を見た人が購入の判断に必要な質問をその場でできるようになるかもしれない、と書いていました。9月に米国でテストが始まったSponsored Agentsは、その形です。広告をタップすると、企業のAIと会話しながら、自分に合うかを確かめられます。HubSpotとの連携では、ChatGPT広告から来た見込み客のフォローまで、HubSpotの中でできるようになりました(OpenAI)。

これらを合わせると、ChatGPT広告は「表示してクリックしてもらう広告」から、「相談の続きを企業が引き受ける広告」に向かっているように見えます。そうなると、料金、対象、事例、他社との違いといった、買い手の質問に答えられる材料をどれだけ持っているかが、広告の成果にも関わってきます。これは、AIO対策で整える材料とほとんど同じです。

ChatGPT広告に向いているのは、AIに相談して選び、担当者が決められる商材

では、自社の商材はChatGPT広告と相性がいいのか。弊社が相性を判断するときは、まず2つの軸で考えます。

図10:BtoBの商材と、ChatGPT広告の相性

横軸は、買い手がAIに相談しながら選ぶ商材かどうかです。比べる条件が多いもの、選び方がわかりにくいものほど、ChatGPTで相談されやすいと考えられます。定番の消耗品のように迷わず買うものは、検索広告で十分なことが多いでしょう。

縦軸は、広告を見た相手が、自分の判断で導入を決められるかどうかです。担当者や部署の判断で始められる商材は、比べたその場で申し込めるので、広告から直接の成果につながる可能性があります。稟議と比較の会議を何度も通る商材では、広告でできるのは候補に名前を入れるところまで、と考えておいたほうがいいでしょう。

もうひとつ確認したいのが、広告のリンク先です。リンク先から無料トライアルや料金表にすぐ行けないと、クリックした人は戻ってしまいやすくなります。相談の続きとして、その場で次の行動に移れるかどうかです。

ChatGPT広告といちばん相性がいいのは、SaaSの無料プランや低価格のツール

2つの軸を、BtoBでよくある商材に当てはめると、次のようになります。

図11:BtoBの商材タイプ別に見た、ChatGPT広告の使い方

SaaSの無料プランや低価格のツール(経費精算、日程調整、フォーム作成など)は、担当者がその場で試して申し込めるのが強みです。狙うのは、現場の担当者や兼任の担当者です。「いまの作業をもっと楽にするツールを探している」会話に出し、成果は無料登録の数で見ます。

中小企業向けのサービス(Web制作、研修、採用支援など)は、経営者が外注先を比べている会話に出せます。中小企業の経営者は、決めるのも本人で、個人のアカウントでChatGPTを使っていることも多いと考えられます。成果は、問い合わせの数と、社名での指名検索で見ます。

資料ダウンロード、セミナー、無料診断は、決める前の人を集める入口として使えます。「やり方を調べている」会話に出し、成果は申し込みの数で見ます。その後のフォローは、ふだんのリード育成と同じです。

大企業向けのシステムやコンサルティングは、相手が会社の有料版を使っていることが多く、届く量は限られそうです。出すなら、候補に名前を入れる広告と割り切り、指名検索の動きで見ます。役職で絞りたいなら、LinkedIn広告と組み合わせるほうが現実的です。

定番の消耗品や、指名で買われるものは、AIに相談されにくく、検索広告で十分なことが多いでしょう。

ChatGPT広告の出稿方法と配信のコツ

出稿は、OpenAIの広告マネージャー(ads.openai.com)から行います(OpenAIヘルプ)。電通デジタル、博報堂DY ONE、サイバーエージェントなどの代理店経由でも出せます(ブルースクレイ・ジャパン)。

出稿前に確認したい、出せる業種

出稿の前に確かめたいのが、自社の業種がChatGPT広告に出せるかどうかです。OpenAIの広告ポリシーでは、テスト期間中の広告は、生活用品、地域サービス、旅行、デジタル製品や教育といった消費者向けの分野が中心とされています(OpenAI 広告ポリシー)。医療、金融、法律には制限があり、ギャンブルや求人などは出せません。BtoBについての明記はありませんが、米国では業務ツールの広告が実際に多く出ています(前述)。日本での審査の基準は公表されていないので、実際に通るかどうかは、出稿してみないとわからない部分もあります。

設定の流れ:アカウントから広告までの4つの階層

設定は、アカウント、キャンペーン、広告グループ、広告の4つの階層で進みます。

図12:広告マネージャーの設定は、4つの階層で進む
  1. アカウント:ChatGPTのアカウントでサインインし、会社名やサイトを登録して本人確認を受けます。国、通貨、時間帯はあとから変えられません(OpenAIヘルプ)。代理店に任せる場合も、アカウントは自社で作って招待します
  2. キャンペーン:目的(リーチ、クリック、コンバージョン)と予算、期間、地域を決めます。目的もあとから変えられません。最低予算は1日2,500円で、リーチ目的は表示課金、クリック目的とコンバージョン目的はクリック課金です
  3. 広告グループ:入札額と、コンテキストヒントを決めます。コンテキストヒントは、どんな会話で出したいかを文章で伝えるものです。たとえば「従業員30人ほどの会社で経理を兼任している担当者が、Excelでの経費精算に限界を感じ、月数千円で始められるツールを相談している」。ひとつの広告グループには、テーマをひとつだけ設定します
  4. 広告:タイトル、説明文、正方形の画像、リンク先を入れます。タイトルは16〜24文字ほどが推奨です

あわせて、計測タグ(ピクセル)をサイト全体に、成果を記録するタグを問い合わせ完了ページなどに入れます。Google タグ マネージャーには専用のテンプレートがないので、カスタムHTMLで入れます。URLにつける計測用のパラメータも、自動では入りません。広告が審査を通ると、配信が始まります。

細かい手順は、ブルースクレイ・ジャパンの解説が詳しいです。

配信を始めてから気をつけたいこと

ChatGPT広告の予算は、思ったより早く使われることがあります。1万円の予算が約7時間で消化された例もあるので(シンカー)、最初は1日の予算を小さく決めておきます。管理画面の数字は最大で7時間ほど遅れて反映されるので、反映を待たずに設定を変えると、何が効いたのかわからなくなります。

配信を始めてから弊社がまず調整するのは、広告の見出しとコンテキストヒントです。ブルースクレイ・ジャパンのテストで見たように、見出しの書き方でクリック率が3倍以上変わった例があります。広告をどんな会話に出すかも、広告グループを分けて比べます。それと、広告を見てすぐにはクリックせず、あとで社名を検索してくる人もいるので、指名検索の推移も並べて見ておきます。

BtoBの会社が試すときの進め方

最後に、弊社がBtoBの会社にすすめている進め方です。

まず、自社の業種がポリシー上出せるかを確かめます。次に、狙いたい相手が個人のアカウントのChatGPTで調べものをしていそうかを考えます。ここで当てはまらないなら、いまはAIO対策や検索広告に予算を回したほうがいいと思います。

当てはまるなら、1日数千円から始めます。リンク先には、料金や対象、事例がすぐわかるページを用意し、できればトップページと比べてみてください。成果は、商材タイプ別に見たとおり、その場で申し込める商材なら申し込みの数で、そうでない商材なら配信した期間の指名検索と、問い合わせフォームの「何で知りましたか」で見ます。

相性がいい商材でも、仕様も単価も月単位で変わっているいまは、大きな予算を動かす段階ではありません。ただ、AIに相談しながら選んでいる人の候補に入れるかどうかは、これから効いてくる可能性が高いと見ています。どんな言葉なら届くのかは、早めに小さく確かめておく価値があると思います。

広告を試す前に、自社がAIの答えの中でどう扱われているかを知っておくと、広告で補うべきところが見えてきます。確かめ方は、AI検索診断のご案内にまとめています。

よくある質問

Q. ChatGPT広告は、いくらから出せますか?
日本では、広告マネージャーから1日2,500円の予算で出稿できます。課金は、クリックごとか、表示1,000回ごとです。

Q. 広告を出すと、ChatGPTの答えで自社がすすめられやすくなりますか?
なりません。OpenAIは、広告が答えの中身に影響しないことを原則にしています。答えの中で名前が挙がるかどうかは、AIが読む情報で決まります。

Q. 大企業向けの商材でも、出す意味はありますか?
大企業の担当者は、会社で契約したChatGPTを使っていることが多く、仕事中は広告が届きにくいと考えられます。出すなら、問い合わせを取る広告としてより、候補に名前を入れる広告として考え、指名検索の動きとあわせて見るのが現実的です。

参考:OpenAI「Our approach to advertising」(2026年1月)/OpenAI「New ways to buy ChatGPT ads」(2026年5月)/OpenAI「Expanding access to AI with ChatGPT ads」(2026年8月)/OpenAI「Reimagining advertising with AI」(2026年9月)/OpenAI 広告ポリシー(2026年9月更新)/OpenAIヘルプ「ChatGPT ads availability」/OpenAIヘルプ「広告マネージャーのアカウント設定」/OpenAI「How people are using ChatGPT」(2025年9月)/NBER「How People Use ChatGPT」(2025年9月)/Sam Altman(X、2026年1月)/Impress Watch(2026年6月)/TechCrunch(2026年10月)/G2「The Answer Economy」(2026年4月)/Gartner(2026年5月)/Forrester(BtoBの購買とAI)/北海道新聞(2026年4月調査の報道)/Chris Moreno(NP Digital、2026年6月)/Brooke Osmundson(Search Engine Journal、2026年9月)/EMARKETER(2026年6月)/Digiday(2026年4月)/PPC Land(Similarweb・Graphite調査、2026年10月)/Workshop Digital(2026年8月)/Search Engine Journal(2026年9月)/TechTimes(2026年9月)/ブルースクレイ・ジャパン(2026年9月)/オプト(2026年7月)/シンカー(2026年7月)/Forrester(ChatGPTの広告と利用者)/SE Ranking(2026年9月)/Ben Thompson(Stratechery、2026年1月)

佐藤 大貴 WRITTEN BY佐藤 大貴アースダイバー株式会社 代表取締役DeNAで男性向けライフスタイルメディアの立ち上げを牽引し、ローンチから約1年半で月間3,000万PV規模に。ポートではコンテンツマーケティング責任者として幅広い領域のメディアを管掌し、上場とM&Aを経験。2019年に創業し、AI時代のマーケティング戦略とその実行を手がける。プロフィールを見る →LinkedIn
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