- インドの人口全体で見た生成AIの利用率は世界平均並み。ただしChatGPTの週間利用者は1億人で、米国に次ぐ2番目の市場
- 米国のAI企業は、インドの通信会社と組んで有料プランを無料で配り、利用者を奪い合っている
- 政府はGPUの補助と国産モデルで自前のAIを育てる。AIは音声と、国の決済の仕組み「UPI」に組み込まれはじめた
こんにちは、アースダイバー代表の佐藤です。AIが広がって、ウェブマーケティングは取るべき戦略も、実行のやり方も変わりました。アースダイバーは、その新しい前提で戦略を考え、実行する仕組みまでつくる会社です(ご相談はこちら)。
日本からは見えにくい各地のAIの現状を、現地の情報も読みながら追いかけるシリーズ「世界のAI現地研究」。第1回では、アフリカの生成AI事情を取り上げました。
第2回はインドです。英語・ヒンディー語・日本語の報道・政府資料・報告書など、58件の資料を読んでわかったのは、インドが米国のAI企業にとって世界有数の「利用者を集める場所」になっていることでした。同時に、インド政府は国産のAIを育てようとしています。
この記事では、利用率・無料の配布・国産AI・商売の現場・IT企業の雇用の5つから、2026年のインドの生成AI事情を整理します。そのうえで、私の見立てと、日本の企業にとっての意味を書きます。先に、私が読み取ったことを3つ書いておきます。
- インドの人口全体で見た生成AIの利用率は、世界平均並み。ただしChatGPTの週間利用者は1億人で、米国に次ぐ2番目の市場
- 米国のAI企業は、インドの通信会社と組むなどして有料プランを無料で配り、利用者を競って集めている
- 政府はGPUの補助で、国産モデルの開発を支える。AIは音声と、決済の仕組み「UPI」に組み込まれはじめた
目次
- 1利用率:人口全体では世界平均並み。利用者の数は世界有数
- 2無料の配布:米国のAI企業が、通信会社と組むなどして有料プランを配る
- 3国産AI:政府がGPUを安く貸して国産モデルを支え、規則づくりも進める
- 4商売の現場:AIは、音声と決済の仕組みに組み込まれはじめた
- 5IT企業の雇用:売上は伸びても、人は増えにくい
- 6私の見立て:インドは「利用者とデータを集める場所」。AIは音声と決済から広がる
- 7日本の企業にとって:AIでも、インドとの接点が増えている
- 8まとめ:インドは米国のAIの大市場。音声と決済から、AIの利用が広がる
- 9調査の概要:英語・ヒンディー語・日本語の、58件の資料を確認
- 10注意点:数字は、調べ方と時点で変わる
- 11よくある質問:インドの生成AIは、利用者の多さと無料の配布が特徴
利用率:人口全体では世界平均並み。利用者の数は世界有数
まず、どれくらい使われているかです。Microsoftが2026年5月に出した報告によると、2026年1〜3月に生成AIを使った人の割合(15〜64歳)は、インドで17.6%でした。世界平均の17.8%とほぼ同じで、報告書の国別の表で上から数えると63番目です(Microsoft)。この数字は、Microsoftの利用データをもとにした推計です。
一方で、ほかの調査ではもっと高い数字が出ています。

インターネットとモバイルの業界団体IAMAIと調査会社Kantar(カンター)の報告書「Internet in India 2025」では、ネットを使う人の44%が、音声検索・画像検索・チャットボット・AIフィルターなどのAI機能を使っていました。生成AIより広い範囲の数字です(Business Today)。Google・Ipsos(イプソス、フランスの調査会社)が2025年9〜10月に約1,000人に聞いたオンライン調査では、回答者の83%が生成AIを使ったと答えています(Google・Ipsos(ppc.landに転載された要旨))。
数字がこれほど違うのは、調べる相手が違うからです。Microsoftは15〜64歳の人口全体を、IAMAIはネットを使う人を、Google・Ipsosはネットで調査に答えた人を相手にしています。インドでは、ネットをふだん使っていない人が約5億7,900万人、人口の38%います(Business Today)。
伸びているのは農村部です。ネットをふだん使う9億5,800万人のうち、5億4,800万人が農村部で、都市部の約4倍の速さで増えています(同)。これから増える利用者の多くは、農村部の、英語以外の言葉を話す人たちになりそうです。
利用者の数で見ると、インドは世界有数の市場です。OpenAIのCEO、サム・アルトマン氏は2026年2月、インドのChatGPTの週間利用者は1億人で、米国に次ぐ2番目の市場だと明らかにしました(TechCrunch)。ロイターが2025年12月に報じた、アプリの調査会社Sensor Tower(センサータワー)のデータでは、インドで1日に使う人は、ChatGPTが7,300万人、GoogleのGeminiが1,700万人でした(Deccan Chronicle)。

無料の配布:米国のAI企業が、通信会社と組むなどして有料プランを配る
インドの利用者がここまで増えた理由のひとつが、有料プランの無料の配布です。2025年7〜11月に、米国のAI企業3社が相次いで始めました。
| サービス | 組んだ相手 | 始めた時期 | 内容 |
|---|---|---|---|
| Perplexity(パープレキシティ)Pro | 通信大手のAirtel(エアテル) | 2025年7月 | Airtelの顧客3億6,000万人に、12か月無料。新しい受付は2026年1月に終了 |
| Google AI Pro(Gemini) | 通信最大手のJio(ジオ) | 2025年10月 | 無制限5Gプランの利用者(18〜25歳から順に)に、18か月無料 |
| ChatGPT Go | (OpenAIが直接) | 2025年11月 | 2025年11月4日に始まった期間限定の受付で登録した人に、12か月無料。通常は月399ルピー(約670円) |
出典:Bharti Airtel、Google、TechCrunch、Aaj Tak(ヒンディー語)、Business Standard。円は1ルピー=約1.68円で換算(三菱UFJリサーチ&コンサルティング、2026年10月16日)

なぜ無料で配るのか。調査会社Counterpoint Research(カウンターポイント・リサーチ)のアナリスト、タルン・パタク氏は、英BBCの取材に「まず生成AIに慣れさせてから、お金を払ってもらう計画だ」と述べています。利用者の多さと若さに加え、利用者から得られるデータでAIがよくなる点も挙げています(Capital FM(英BBCの記事の転載))。
では、無料が終わるとどうなるのか。いちばん早く始めたPerplexityの数字を見ます。インドの月間の利用者は、2025年1〜6月の平均で約260万人でした。無料の配布で2025年10月に約2,200万人まで増え、2026年7月には約1,400万人になりました。新しい受付は2026年1月に終わり、最初の利用者の無料期間は2026年7月から切れはじめています(TechCrunch)。ピークから4割近く減ったものの、配布の前の5倍以上です。ただし、7月の時点ではまだ無料期間の中にいる人も多くいます。同じ記事によると、受付を終えた後の2026年2月から8月中旬までのインドでのアプリ内課金の収入は、受付期間中(2025年7月〜2026年1月)より約60%多くなりました。もっとも、無料で使っていた人が自分で有料に切り替えたのか、自動で更新されたのかは区別できていません。

Perplexityの無料期間がすべて終わるのは2027年1月ごろです。ChatGPT Goは2026年11月から、Geminiは2027年4月ごろから、最初の利用者の無料期間が順に終わります。どれだけの人が残るかは、これからの注目点です。
Googleと実際に組んだのは、Jioを傘下に持つReliance Industries(リライアンス・インダストリーズ)の完全子会社Reliance Intelligenceです(Google)。同社は2025年10月、Metaとも企業向けのAIをつくる合弁会社を設立しました。出資比率は同社が70%、Metaが30%です(Storyboard18)。現地の大手も、米国のAI企業と組んで自社のAIの事業を広げています。
中国企業のアプリについては、インド政府が2020年6月、TikTokなど59のアプリを国の安全を理由に禁止しました(WION)。ただし、スマートフォンの出荷では、2026年4〜6月の上位5社のうち4社が、vivo(ビボ)・OPPO(オッポ)・Xiaomi(シャオミ)・realme(リアルミー)という中国のブランドです(Counterpoint)。
国産AI:政府がGPUを安く貸して国産モデルを支え、規則づくりも進める
米国のAIが広がる一方で、インド政府は国産のAIの開発を支えています。
政府は2024年3月に、5年で1,037億ルピー(約1,740億円)のAI計画「IndiaAI Mission」を決めました(IndiaAI、Communications Today)。中心は、AIの開発に使うGPU(画像処理半導体)を安く貸す仕組みです。2026年2月の政府の発表では、3万8,000基超のGPUを1時間あたり65ルピー(約110円)で貸し出しています(インド政府(PIB))。ただし、実際に稼働している数は政府が確認しておらず、発表されるGPUの数も資料によって異なります。計画と稼働の差を指摘する報道もあります(Communications Today)。
2026年2月にニューデリーで開かれた国際会議「India AI Impact Summit」では、国産のモデルが相次いで発表されました。
| 開発元 | モデル | 特徴 |
|---|---|---|
| Sarvam AI(サルヴァム、ベンガルール) | Sarvam 30B・105B | ゼロから学習したモデル。2026年3月に、商用でも使える形で公開 |
| BharatGen(バーラトジェン、インド工科大学ボンベイ校などの共同事業) | Param2 17B | 憲法で定める22の指定言語に対応。政府の共有基盤AIKoshで公開 |
| Gnani.ai(ギャーニ、ベンガルール) | Vachana | 100万時間以上の音声で学習した、音声認識のモデル |
出典:TechCrunch、Storyboard18、AIKosh、Voice&Data、Outlook Business
この会議では「ニューデリー宣言」がまとめられ、米国・中国・日本を含む88の国と国際機関が支持しました(News On AIR、Orissa Post(PTI))。
データセンターへの投資の表明も続いています。Googleは南部のヴィシャーカパトナムに、2026〜30年で約150億ドル(約2兆3,700億円)を投じます(Google)。Microsoftは2026〜29年に175億ドル(約2兆7,700億円)を投じると発表しました(TechCrunch。円は1ドル=約158円で換算、三菱UFJリサーチ&コンサルティング、2026年10月16日)。ただし、多くはまだ表明や着工の段階です。インド政府の経済調査(Economic Survey)は、電力・水・GPUの不足を課題に挙げています(Business Today)。
規則づくりも進んでいます。2026年2月には、AIでつくった画像・動画などにラベルを付けることを、SNSなどの事業者に義務づけました(Freshfields)。個人データの保護法も、2027年5月までに段階的に全面施行されます(AZB & Partners)。
一方で、AIだけを対象にした法律は、当面つくらない方針です。電子・IT省(MeitY)が2025年11月に出した「AIガバナンス指針」は、いまある法律と分野ごとの監督機関で対応するとしています。ただし、いまの法律に足りない部分があることも認めています(Mondaq)。学習データには条件を付ける案も出ています。商工省の産業・国内取引促進局(DPIIT)は2025年12月、AIの開発企業に著作物を学習に使う包括的な許諾を与え、商用で使う段階で政府が定める率の使用料を払わせる案を示しました。2025年12月から30日間、意見を募りました。案をまとめた検討の場では、業界団体Nasscom(ナスコム)が反対の意見を付けています(Storyboard18)。
商売の現場:AIは、音声と決済の仕組みに組み込まれはじめた
商売の現場では、AIが音声と決済の仕組みに入りはじめています。
インドには、スマートフォンで即時に支払いができる決済の仕組み「UPI」があります。2026年9月には1か月で240億7,000万件、1日あたり8億件を超える支払いがありました(Outlook Money)。UPIを運営するインド決済公社(NPCI)は2025年10月、AIが利用者の代わりに買い物をして支払う仕組みを示しました。Geminiとの会話で食料品を注文してUPIで支払う実演と、ChatGPTでの試験です(Inc42、Storyboard18)。
- 音声で注文する:料理の宅配大手Swiggy(スウィギー)は2026年3月、Sarvamと組み、11の言語で料理・日用品を音声で注文できるようにすると発表した(CXO Digital Pulse)
- 音声で問い合わせに答える:通販のMeesho(ミーショー)は、ヒンディー語・英語の問い合わせに、1日6万件以上、音声のAIで答えている。音声AIの会社ElevenLabs(イレブンラボ)の事例紹介による(Call Centre Helper)
- メッセージアプリで販売する:WhatsAppは2026年7月、インドで企業向けのAI「Meta Business Agent」を発表した。利用は順番待ちの登録から(UNI)
- 政府の言葉のAI:政府の言語AIの基盤「Bhashini(バーシニ)」は、1日2,400万回以上の処理に使われている。ただし、利用回数だけでは翻訳の正確さはわからない、とも指摘されている(Policy Edge)
SarvamのCEO、プラチュシュ・クマール氏は「インドは音声が先の国だ」と述べ、インドの言葉で文字を打つのは多くの人にとって自然ではないと説明しています(Business Today)。
IT企業の雇用:売上は伸びても、人は増えにくい
インドは、IT受託の大国です。この分野にも、AIの影響が出はじめています。
業界団体のNasscomは2026年2月、2025年度(2025年4月〜2026年3月)のテック業界(IT・業務受託・ハードウェアなど)の売上が3,150億ドルになり、前年より6.1%増えるとの見込みを示しました。一方で、働く人の増加は2.3%にとどまる見込みです。AI関連の売上は100億〜120億ドルの見込みで、計算すると全体の約3〜4%です(ETV Bharat)。
最大手のTCS(タタ・コンサルタンシー・サービシズ)は2025年7月、従業員の約2%にあたる1万2,000人超を減らすと発表しました。会社は理由を「将来に備えて組織を機敏にするため」と説明し、AIなどの新しい技術に力を入れていることにも触れています(Storyboard18)。従業員は2025年6月末の約61万3,000人から、2025年12月末には約58万2,000人まで減りました。その後は3四半期続けて増え、2026年9月末には約59万8,000人です(TCS)。

一方で、海外企業がインドに置く自社の開発・業務の拠点(GCC)は増えています。Zinnov・Nasscomの2026年5月の報告では、2,117拠点で約236万人が働いています(Business Today)。
私の見立て:インドは「利用者とデータを集める場所」。AIは音声と決済から広がる
ここからは、私の見立てです。

1. インドは、米国のAI企業と現地の通信大手が、ともに利用者を集める場所になっている
有料プランを無料で配る狙いには、将来の課金に加え、データを集めることもあると私は見ています。インドには、憲法で定める22の指定言語があります。インドで使われることで、英語以外の言葉でのAIの使われ方のデータが集まります。そのデータは、米国のAIの改善に使われうるものです。一方で、配布の相手であるJio・Airtelにも、顧客の解約を減らす狙いがあると見ています。インド政府も、学習データに使用料を求める案を示しています。データをどこまで自由に使えるかは、これからの規則で決まります。
2. 無料の配布で、AIで調べる人は大きく増えた。残るかは2027年にわかる
Perplexityの月間の利用者は、2026年7月時点でも配布の前の5倍以上です。ただ、多くの人の無料期間はまだ続いています。お金を払う人は一部でも、AIで調べることに慣れた人は大きく増えたと私は見ています。どれだけ残るかは、無料期間が終わる2027年にはっきりします。
3. AIに最初に触れる手段は、音声になる。アフリカと同じ
前回のアフリカでは、AIに最初に触れる手段は音声になると書きました。インドでも、Swiggyが音声での注文を発表し、Meeshoは音声のAIで問い合わせに答えています。Googleも、インドは音声検索と画像検索で世界最大の利用者がいる国だとしています(TechCrunch)。言葉の数が多く、文字を打つのが自然でない国では、音声が先になると見ています。
4. AIの買い物は、共通の決済の仕組みの上で試されはじめた
中国の回では、アリババなどの大手企業が、自社の通販サイトとAIをつないでいました。インドでは、多くの銀行と決済アプリが使う共通の決済の仕組みUPIに、ChatGPT・Geminiがつながろうとしています。どのAIを使っても、同じ決済で買える形です。ただし、まだ実演と試験の段階です。また、UPIの取引は2つのアプリに集中しています。2026年5月には、PhonePe(フォンペ)とGoogle Payで合わせて79%でした(Outlook Business)。AIの買い物の進み方は、国ごとの決済の仕組みで変わると私は見ています。
5. 「使う国」から「つくる国」へは、まだ途中
国産のモデルは出てきました。Sarvamの資金調達は、シリーズBの第1弾で2億3,400万ドルでした。主導したのはインドのIT大手HCLTech(HCLテック)で、1億5,000万ドルを出しています(HCLTech、2026年6月)。これに対し、米国の大手はインドでのデータセンターなどに、Googleが5年で150億ドル、Microsoftが4年で175億ドルの投資を表明しています。規模に大きな差があります。インドは当面、米国のAIを大量に使いながら、自国の言葉の部分を国産で補う形が続くと見ています。
日本の企業にとって:AIでも、インドとの接点が増えている
日本とインドの政府は、AIでの協力を強めています。2025年8月のモディ首相の来日では、AIでの協力の枠組みをつくり、日本からインドへの民間投資10兆円という目標を示しました(首相官邸)。2026年の日印のAI協力の共同声明では、2030年までにインドの高度なAI人材500人を日本に招く目標を再確認しています(外務省)。
日本の企業のインドへの関心も高い状態です。JETROの「2025年度海外進出日系企業実態調査(アジア・オセアニア編)」では、インドの日系企業の81.5%が今後1〜2年で事業を広げると答え、アジア・オセアニアの国と地域の中で最も高い割合でした(JETRO)。
AIの分野でも、日本の企業の具体的な動きが出ています。

- データセンター:NTTデータは、インドのAIクラウド企業Neysa(ネイサ)・テランガナ州と、覚書を結んだ。ハイデラバードに400MW規模のAI向けデータセンター群をつくる計画(The South First)。NTTは、ムンバイに500MW規模のデータセンターの拠点を開き、一部が動きはじめた(W.Media)
- 研究開発:富士通は、ベンガルールの研究拠点で、400人規模でAI・量子コンピューティングなどを研究している(富士通)。Preferred Networksは、Sarvamとの協力の覚書を結んだ(外務省)
- 人材:日立は、インドで今後5年に5,000人以上を、AI・エネルギーの分野で採用すると報じられた(Outlook Business)。ABeamコンサルティングは、シンガポールの企業と共同で、日本の顧客のデジタル化を担う拠点をハイデラバードに開いた(People Matters)
- 投資:Beyond Next Venturesは、インドのAI・半導体のスタートアップに投資する5,000万ドルのファンドを計画している(Venture Intelligence)
並べてみると、日本の企業の動きは、データセンター・研究開発・人材が中心です。インドの利用者に向けたAIのサービスで目立つ例は、今回は見つかりませんでした。
インドに関わる日本の企業が押さえておきたいのは、次の3つです。
- AIの答えを、英語・ヒンディー語で確かめる:インドの顧客や取引先は、ChatGPT・Gemini・Perplexityで調べることに慣れている。自社名と製品の分野を英語・ヒンディー語で質問し、出てくる答えと出典を定期的に確かめる
- 音声と州の言葉で答えられる情報を用意する:これから増える利用者の多くは、農村部の、英語以外の言葉を話す人たち。問い合わせや製品の説明を、ヒンディー語などの言葉と音声でも受け取れるようにする
- 人材とデータの規則を、あわせて確かめる:海外企業の拠点(GCC)は236万人の規模。AI人材の採用の計画とあわせて、2027年5月までに全面施行される個人データの保護法と、AIでつくった画像・動画のラベルの義務を確かめる
このシリーズでは、これからも各地のAIの現状を追っていきます。
まとめ:インドは米国のAIの大市場。音声と決済から、AIの利用が広がる
2026年のインドでは、人口全体で見た生成AIの利用率は世界平均並みでした。それでもChatGPTの週間利用者は1億人で、米国に次ぐ市場です。米国のAI企業は通信会社と組むなどして有料プランを無料で配り、利用者を集めています。政府はGPUの補助で国産モデルの開発を支え、AIは音声と決済の仕組みUPIに組み込まれはじめました。IT受託の大手では、売上が伸びても人は増えにくくなっています。日本の企業も、データセンター・研究開発・人材の分野で、インドとの接点を増やしています。
調査の概要:英語・ヒンディー語・日本語の、58件の資料を確認
| 項目 | 内容 |
|---|---|
| 言語 | 英語・ヒンディー語・日本語 |
| 資料の数 | 58件(本文で出典として示したもの) |
| 資料の種類 | インドと日本の政府の資料・研究機関や業界団体の報告書・企業の発表・インドと海外の報道 |
| 確かめ方 | 数字は、できる限り一次資料で確かめた。報道や企業の発表だけによるものは、本文でその旨を示した |
| 情報の時点 | 2026年10月18日 |
アースダイバーでは、海外の市場調査など、戦略づくりのための調査業務を承っています(ご相談はこちら)。
注意点:数字は、調べ方と時点で変わる
1. 利用率は、調べる相手で大きく変わる
Microsoft・IAMAI・Google・Ipsosの数字は、調べる相手が違うため比べられません。
2. 表明と実行は分けて見る
データセンターや投資の多くは、表明や着工の段階です。India AI Impact Summitで示されたインフラへの投資の表明額は2,500億ドル超とされますが、内訳は示されていません(Business Today)。
3. 一部は報道や企業の発表をもとにしている
利用者の数の多くは、企業の発表やアプリの調査会社の推計を報道したものです。この記事は2026年10月18日時点の情報です。
よくある質問:インドの生成AIは、利用者の多さと無料の配布が特徴
Q. インドで、生成AIはどれくらい使われていますか?
Microsoftの報告では、2026年1〜3月に生成AIを使った人の割合(15〜64歳)は17.6%で、世界平均の17.8%とほぼ同じでした。一方、ChatGPTの週間利用者は1億人で、米国に次ぐ2番目の市場です。
Q. なぜインドでは、AIの有料プランが無料で配られているのですか?
利用者を増やし、慣れてもらってから課金するためと見られています。利用者から得られるデータでAIがよくなる点も指摘されています。
Q. インドの国産のAIはありますか?
あります。2026年2月に、Sarvam AIの「Sarvam 30B・105B」・インド工科大学ボンベイ校などのBharatGenの「Param2」・Gnani.aiの音声認識モデル「Vachana」が発表されました。
Q. 日本の企業は、インドのAIにどう関わっていますか?
NTTデータ・NTTのデータセンター、富士通の研究拠点、日立のAI人材の採用、Preferred NetworksとSarvamの協力などがあります。
参考:Microsoft/Business Today/Google・Ipsos(ppc.landに転載された要旨)/TechCrunch/Deccan Chronicle/Bharti Airtel/Google/TechCrunch/Aaj Tak(ヒンディー語)/Business Standard/三菱UFJリサーチ&コンサルティング/Capital FM(英BBCの記事の転載)/TechCrunch/Storyboard18/WION/Counterpoint/IndiaAI/Communications Today/インド政府(PIB)/TechCrunch/Storyboard18/AIKosh/Voice&Data/Outlook Business/News On AIR/Orissa Post(PTI)/Google/TechCrunch/Business Today/Freshfields/AZB & Partners/Mondaq/Storyboard18/Outlook Money/Inc42/Storyboard18/CXO Digital Pulse/Call Centre Helper/UNI/Policy Edge/Business Today/ETV Bharat/Storyboard18/TCS/Business Today/TechCrunch/Outlook Business/HCLTech/首相官邸/外務省/JETRO/The South First/W.Media/富士通/Outlook Business/People Matters/Venture Intelligence/Business Today


