- サイテーションは、ほかのサイトやメディア、口コミで自社の名前が挙がること。リンクの有無は問わない
- 第三者に語られている会社が信頼される、という本質は昔も今も同じ。変わったのは、AIも言及を読み、会社を挙げる理由に使うようになったこと
- AIの回答に出る会社は、ウェブ上で多く言及されている傾向がある。言及してもらう理由になる情報を自社でつくり、比較サイトやメディアに届けることが出発点
こんにちは、アースダイバー代表の佐藤です。AIが広がって、ウェブマーケティングは取るべき戦略も、実行のやり方も変わりました。アースダイバーは、その新しい前提で戦略を考え、実行する仕組みまでつくる会社です(ご相談はこちら)。
「サイテーション」は、SEOの用語として昔から使われてきた言葉です。これまでは、地図検索の対策や、SEOに間接的に効くもの、という扱いを受けることが多かったと思います。ただ、ChatGPTやGoogleのAIによる概要のように、AIが答えを返す検索が広がったいま、あらためて見直したい考え方になっています。
先に結論を言うと、サイテーションの本質は、昔もいまも変わっていません。第三者に語られている会社が信頼される、ということです。変わったのは、その言及を読む相手です。いまはAIも、ウェブ上の言及を読み、どの会社を回答で挙げるかの材料にしていると考えられます。
この記事では、サイテーションとは何かを整理したうえで、AI検索の時代になぜ大事になったのかを、海外と日本の調査から見ていきます。最後に、サイテーションを増やす方法と、確かめ方をまとめます。情報は2026年10月時点のものです。
目次
サイテーションとは?ほかのサイトやメディアで、自社の名前が挙がること
サイテーション(citation)は、英語で「引用」や「言及」を意味する言葉です。SEOでは、ほかのサイトやメディア、SNS、口コミなどで、自社の会社名やサービス名が挙がることを指します。
よく比べられるのが、被リンクです。被リンクは、ほかのサイトから自社のサイトへ、クリックできるリンクが張られることです。サイテーションは、リンクの有無を問いません。たとえば業界メディアの記事に「〇〇社のサービスが便利」と社名だけが書かれていれば、リンクがなくてもサイテーションになります。

店舗のある業種では、地図検索の対策(MEO)の文脈で使われることも多い言葉です。この場合のサイテーションは、店名、住所、電話番号がほかのサイトに載っていることを指します。この3つは英語の頭文字をとって「NAP」と呼ばれ、どのサイトでも表記をそろえておくことが大事だとされています。Googleは、地図検索の順位を決める要素のひとつである「知名度」について、「ビジネスにリンクしているウェブサイトの数やクチコミの数などの情報にも基づいて」決まると説明しています(Google ビジネス プロフィール ヘルプ)。
なお、AI検索の分野では、AIの回答の中で出典として示されるリンクのことも「引用(citation)」と呼びます。この記事でいうサイテーションは、リンクの有無を問わず、第三者に名前が挙がることを指します。
第三者に語られる会社が信頼されるのは、昔もいまも同じ
サイテーションという言葉は、もともと学術の世界のものです。論文がほかの論文に引用された数は、その論文の影響力を測る指標として、昔から使われてきました。
Googleの検索も、この考え方から始まっています。Googleの創業者のSergey Brin氏とLarry Page氏は、1998年に発表した論文で、検索の順位を決める仕組み「ページランク」を、論文の引用の考え方をウェブに応用したものとして説明しています。
学術論文の引用の研究は、これまでもウェブに応用されてきた。主に、あるページへの引用や被リンクの数を数えるという形でだ。Academic citation literature has been applied to the web, largely by counting citations or backlinks to a given page.— Sergey Brin、Larry Page(Google創業者)、1998年の論文
ページランクは、リンクをウェブ上の「引用」とみなし、多く引用されているページほど重要だと考えました。そのうえで、どのページからリンクされているかによって、リンクの重みを変えています(Brin and Page, 1998)。人の世界でも同じで、知り合いからの紹介や口コミ、メディアでの紹介があるほど、その会社は信頼されやすくなります。
論文の引用も、リンクも、口コミも、形は違いますが、どれも第三者からの評価です。第三者に語られているものが信頼される、という本質は、昔もいまも変わっていません。

AI検索で変わったのは、リンクのない言及も読まれるようになったこと
本質は変わらない一方で、変わったこともあります。第三者の評価のうち、何が読み取られるかです。
検索エンジンが第三者の評価を測るとき、中心になってきたのはリンクでした。リンクは機械で数えやすい一方で、リンクのない言及は、どんな意味で名前が挙がっているのかを機械で判断するのが難しいからです。GoogleのJohn Mueller氏は2021年に、リンクのない言及はページランクのようなものには使っていないと思う、と説明したうえで、次のように話しています(Search Engine Journal)。
ただ、言及は、人々に自社のブランドを知ってもらうきっかけにはなり得る。But it can be something that makes people aware of your brand.— John Mueller(Google)、2021年12月
AIは、ここが違います。AIは文章を読んで文脈をとらえられるので、リンクのない言及も、どんな文脈で名前が挙がっているかを含めて読み取れます。実際に、AIの回答に出てくる会社と、ウェブ上の言及の間には、強い関係があることがわかってきました。
AIの回答に出る会社は、ウェブ上で多く言及されている
Ahrefsが約7万5,000のブランドを調べた2025年の調査では、GoogleのAIによる概要に名前が出ることといちばん関係が強かったのは、ウェブ上での言及の多さでした(Ahrefs)。

関係の強さを示す数字(相関係数、1に近いほど関係が強い)は、ウェブ上の言及が0.664で、被リンクの数の0.218を大きく上回っていました。2番目は、ブランド名が入ったリンク(0.527)です。リンクの数そのものより、ブランド名がどれだけ語られているかのほうが、AIの回答と関係が強いと読めます。
相関なので、言及が増えればAIに必ず挙げられる、とまでは言えません。ただ、AIの回答に出ている会社には、ウェブ上で多く語られている会社が多い、という傾向は見えています。
AIが参照する情報は、第三者のものが多い傾向がある
AIがどこから情報を得ているかを調べた調査もあります。AI検索の分析ツールを提供するAirOpsが、GPT-5、Claude Sonnet 4.5、Perplexity Sonarの3つのAIで、商品やサービスを探す500以上の質問を調べたところ、回答に出たブランドの言及の85%は、第三者のサイトからのものでした。ブランド自身のサイトからは13.2%です。第三者の言及のうち9割近くは、「おすすめ〇選」のようなまとめ記事や、比較記事、レビューでした(AirOps)。
PRツールのMuck Rackが、ChatGPT、Claude、Geminiが引用した2,500万件以上のリンクを調べた調査でも、引用の約84%は、メディアの記事など、ほかの人が書いた情報(アーンドメディア)でした(Muck Rack)。

ただし、これは全体の傾向で、AIや質問によっては公式サイトがよく参照されることもあります(日本の例は次の章で紹介します)。自社のサイトの情報を整えることは、AIO対策の記事で書いたとおり、引き続き大切です。そのうえで、第三者にも語ってもらうことが、AIの回答に名前を出すためのもうひとつの柱になると考えています。
第三者の言及を含めて、AIの答えに名前が挙がる会社の条件は、ホワイトペーパーにまとめています。
日本でAIがよく引用するのは、YouTubeやnote
ここでは、日本の利用者がAIを使うとき、AIがどんなサイトから情報を得ているかを見ていきます。
Ahrefsが、GoogleのAIモード(Googleの検索で、AIと会話しながら調べられる機能)とAIによる概要、ChatGPT、Perplexity、Copilotの5つを対象に、日本でよく引用されているサイトを調べた2026年6月の調査では、上位10サイトは次のとおりでした(Ahrefs)。

YouTube、note、アメーバブログ、Yahoo!知恵袋といった、個人や企業が発信したり、利用者が書き込んだりできるサイトが上位に並んでいます。ChatGPTに限ると、プレスリリースの配信サイトであるPR TIMESが2位でした。
ただ、どのサイトが引用されるかは、業界や質問によって大きく変わります。BtoBのSaaSでは比較サイトの存在感が大きく、AIの回答への対策(LLMO)を支援するBrand UPの調べでは、ASPIC、BOXIL SaaS、ITトレンド、ITreviewといった比較サイトが、5割以上の質問で引用されていました(Brand UP)。
AIの種類によっても違います。GMO AI検索ラボが通信キャリアの分野で調べた調査では、全体では公式サイトの引用は4.0%にとどまった一方で、ChatGPTの検索機能を使った回答に限ると、公式サイトの引用が83.2%を占めていました(GMO AI検索ラボ)。
さらに、よく引用されるサイトは、月単位で入れ替わります。海外のSemrushの調査では、ChatGPTの回答にRedditが出てくる割合が、2025年8月初めの約60%から、9月中ごろには約10%まで下がりました(Semrush)。
こうしたデータを見ると、特定のサイトだけを狙って言及を増やすのは、あまり得策ではなさそうです。自社の業界で、買い手がふだん読んでいる場所に、継続して名前が出ている状態をつくることが、結果としてAIにも拾われやすくなると考えています。
サイテーションは、指名検索の入口になる
ここまでは、AIがサイテーションをどう読むかを見てきました。もうひとつ大事なのが、サイテーションが、人の行動にどうつながるかです。
指名検索の記事で書いたように、AIで相談して候補を絞った人は、気になった会社の名前を検索して、公式サイトで確かめます。HubSpotが日本の買い手515人に聞いた調査では、購買の検討で生成AIを使ったことがある人のうち、52.4%が、AIをきっかけに新しい候補を追加していました(HubSpot.pdf))。
弊社は、この流れの入口にあるのがサイテーションだと考えています。
- 比較サイトやメディア、口コミで、自社の名前が挙がる(サイテーション)
- AIがそれを読み、回答の中で自社を候補に挙げる
- 回答を見た人が、自社の名前で検索する(指名検索)
- 公式サイトで確かめ、問い合わせや購入に進む

海外のSEOの専門家Kevin Indig氏も、AIの回答では、出典としてリンクが示されることより、名前が挙がることを優先すべきだと述べています。
AIの回答では、出典として引用されることより、ブランドの名前が挙がることを優先すべきだ。リンクのない言及でも、ブランドへの親しみを生み、購買の判断に影響する。Prioritize brand mentions over citations in LLMs. Mentions without links drive familiarity and influence purchase decisions.— Kevin Indig(Search Engine Journal)、2025年11月
言及を増やすことは、AIの回答に出るためだけでなく、社名を知って検索してくれる人を増やすことにもつながります。
サイテーションを増やす方法
では、どうすれば第三者に語ってもらえるのでしょうか。サイテーションは、自社だけでは増やせません。弊社は、言及してもらう理由になる情報を、自社でつくることが出発点だと考えています。そのうえで、言及されやすい場所に届けます。

比較サイトやレビューサイトに載り、顧客の声を集める
先に見たように、BtoBのSaaSでは、比較サイトがAIによく引用されています。比較サイトやレビューサイトは、すぐに始めやすく、続けるほど言及が積み上がる方法です。ITreviewの調べでは、IT製品を選ぶときに口コミを確認する人は84%でした(ITreview)。

具体的には、次の順で進めます。
- 自社の業界で、AIに引用されている比較サイトを調べる:ChatGPTやGeminiに、買い手が実際にしそうな質問(「中小企業向けの勤怠管理システムを比べたい」など)をして、出典に出てくる比較サイトやまとめ記事を書き出します
- 製品ページを、自社サイトと同じ内容で埋める:料金、対象となる会社の規模、主な機能、導入事例を、自社サイトと食い違わないように登録します。比較サイトの情報が古いと、AIも古い情報で答えてしまいます
- レビューを、顧客にお願いする:導入して成果が出たタイミングや、契約を更新するタイミングで、担当者から直接お願いします。良い点だけでなく、どんな会社に向いているかを書いてもらえると、比べる人にとっても役立つレビューになります
- 導入事例を、顧客のサイトにも載せてもらう:自社サイトの導入事例を、顧客側のサイトやプレスリリースでも紹介してもらえると、第三者のサイトでの言及になります
調査データを公開し、プレスリリースで届ける
自社で調査を行い、その結果を公開すると、メディアや他社のブログに引用されやすくなります。ほかの会社が書けない数字は、それ自体が言及してもらう理由になります。

- テーマは、買い手が知りたいことから選ぶ:自社の業界の実態や、顧客がよく抱える悩みなど、比べる人やメディアが引用したくなるテーマを選びます。自社の製品の宣伝に寄せすぎると、引用されにくくなります
- 調査の概要を、本文の文章で書く:PR TIMESのリリースがAIに引用される条件を調べた調査では、調査名、実施した会社、対象の人数、期間、数字をつけた結果を、本文の文章として書いておくことが大切だとされています(Sighted)。グラフの画像だけでは、AIが数字を読み取れないことがあります
- 自社サイトに、調査結果のページをつくる:リリースだけでなく、自社サイトにも調査結果を詳しく載せておきます。引用する人が、元の情報を確かめられる場所になります
- 同じ調査を、毎年続ける:年ごとの変化を出せるようになると、「〇〇社の調査によると」と繰り返し引用されやすくなります
プレスリリースの扱いは、日本と海外で少し違います。日本では、先に見たようにChatGPTがPR TIMESをよく引用していて、リリースそのものがAIの情報源になっています。一方で、Muck Rackの海外の調査では、プレスリリースがAIに引用される割合は1.1%にとどまっていました。リリースは、AIに直接読まれる情報源であると同時に、メディアに取り上げてもらうきっかけとしても考えておくのがよさそうです。
業界メディアに取り上げられる、寄稿する、登壇する
AIは、メディアの記事を多く引用しています。Muck Rackの調査では、AIが引用したリンクの約27%が報道機関の記事でした。

- 取材を受けやすくする:自社の専門分野と、話せるテーマ、担当者のプロフィールをまとめた資料を用意しておき、業界メディアの記者や編集者に届けます。調査データを公開したときは、その結果について話せることも伝えます
- 専門家として寄稿する:業界メディアの寄稿や連載では、自社の名前と担当者の名前が、専門家として記事に載ります。宣伝より、読者の役に立つ知見を書くことが、継続して載せてもらうためには大切です
- セミナーやイベントに登壇する:登壇者として告知ページやレポート記事に名前が載ります。共催のセミナーでは、相手の会社のサイトやメールでも紹介されます
- 掲載や登壇の実績を、自社サイトにまとめる:載った記事や登壇の記録を、自社サイトのニュースなどにまとめておくと、第三者の言及と自社の情報がつながります
自社の一次情報を、YouTubeやnoteでも発信する
日本では、AIがYouTubeやnoteをよく引用しています。自社のサイトに載せた事例や調査、考え方を、こうした場所でも発信しておくと、AIに拾われる入口が増えます。

- 自社サイトの記事を、形を変えて出す:調査結果の解説を動画にする、導入事例の裏話をnoteに書く、といった形で、同じ一次情報を別の場所でも発信します
- 会社名とサービス名を、はっきり書く:動画の説明文やnoteのプロフィール、本文の中に、会社名とサービス名を正しい表記で入れます。名前が書かれていなければ、AIは誰の情報かを判断できません
- 自社サイトへの導線をつくる:説明文や本文の最後に、自社サイトの関連ページへのリンクを載せます
発信する内容は、ほかの会社には書けない、自社の事例や数字、現場の知見が中心です。2026年のAI検索ニュースまとめで書いたように、AIに選ばれるかどうかは、サイトの技術的な土台より、こうしたコンテンツで差がつくと考えています。
土台として、会社名やサービス名の表記をそろえる
どの方法でも、会社名やサービス名の表記をそろえておくことは、最低限の土台です。サイトや媒体ごとに表記が違うと、AIも人も、同じ会社のことだと気づきにくくなります。
- 表記のルールを決める:会社名(正式名称と略称)、サービス名(カタカナと英字のどちらか)、ロゴの横に書く説明文を決めて、社内と取引先に共有します
- 登録しているサイトを見直す:比較サイト、求人サイト、SNSのプロフィールなど、自社の情報が載っているサイトの表記と、会社の説明文をそろえます
- 店舗のある業種は、NAPもそろえる:店名、住所、電話番号を、Googleビジネスプロフィールやポータルサイトで統一します
自社のサイテーションを確かめる方法
サイテーションは、増やすだけでなく、いまどれくらいあるのかを確かめておくことも大事です。弊社では、次の3つを並べて見ています。
- ウェブ上での言及:Googleアラートに社名やサービス名を登録すると、新しく言及されたページを知らせてくれます。比較サイトやメディアで、自社がどう紹介されているかも定期的に確かめます
- AIの回答での出方:ChatGPTやGemini、GoogleのAIモードに、自社の分野の質問をして、自社の名前が挙がるかを確かめます。名前が挙がるかどうかと、自社のサイトが出典として示されるかどうかは、分けて見ておきます
- 指名検索の推移:Search Consoleで、社名やサービス名で検索されたときの表示回数がどう変わっているかを見ます。言及が増えた時期と並べると、効果を判断しやすくなります
AIの答えの中で、自社がどう語られているか。確かめ方は、AI検索診断のご案内にまとめています。
よくある質問
Q. サイテーションと被リンクは、どう違いますか?
被リンクは、ほかのサイトから自社のサイトへのリンクのことです。サイテーションは、リンクの有無を問わず、ほかのサイトやメディア、口コミで自社の名前が挙がることを指します。
Q. サイテーションは、Googleの検索順位に直接影響しますか?
GoogleのJohn Mueller氏は、リンクのない言及はページランクのようなものには使っていないと思う、と説明しています。直接の影響ははっきりしませんが、言及をきっかけに社名で検索する人が増えるといった、間接的な効果は期待できます。
Q. AIの回答に名前を出すために、サイテーションは関係しますか?
関係が強いと考えられます。Ahrefsの調査では、GoogleのAIによる概要に名前が出ることといちばん関係が強かったのは、ウェブ上での言及の多さでした。
参考:Brin and Page「The Anatomy of a Large-Scale Hypertextual Web Search Engine」(1998年)/Google ビジネス プロフィール ヘルプ/Search Engine Journal(2021年12月)/Ahrefs(2025年6月)/AirOps(2025年10月)/Muck Rack「What Is AI Reading?」(2026年5月)/Ahrefs(2026年6月)/Brand UP/GMO AI検索ラボ(2026年8月)/Semrush(2025年11月)/HubSpot「日本の営業に関する意識・実態調査2026」(2026年2月).pdf)/Kevin Indig(Search Engine Journal、2025年11月)/ITreview/Sighted(PR TIMES、2026年7月)


